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2017年11月7日 火曜日

私の読書日記40

大暴落~ガラ~

幸田真音

201711051 以前のブログ(2014年11月6日)でも紹介した氏の「スケープゴート」の続編です。

前作では、大学教授だった三崎皓子(みさきこうこ)が民間出身の閣僚として金融担当大臣となり、その後参院議員に出馬し当選。今度は官房長官に任命され任務をこなしていると数か月後、総理大臣が倒れ辞任。三崎は与党の総裁選に立候補し敗れたものの、一部野党の支持も得て国会で次期総理大臣に選出されるというところまででした。

201711052(あらすじ)

 総理大臣に就任した当日から三崎が直面したのは、関東地方北部を襲った集中豪雨。荒川の水が上流域で上昇し、危険水域に達するかも知れないという情報が届く。そこへ大型台風接近の予報。もし台風が東京を直撃したら、更に水位が上昇し荒川が決壊する。その場合、被害は流域周辺だけでなく都心にも及ぶ。事前に手を打たなければ、大変なことになる。洪水を前提とした対応をしなければ、被害を最小限に抑えることができない。

 そのような危機意識を基に、次々と対応を指示するが肝心の閣僚や与党幹部たちが動かない。まだ、都心は晴れている、そんな危険はない。もし、予想が外れたら企業に対しどう責任を取るんだ、と反発する長老たち。それを総理大臣の権限と責任で押し通し、企業や交通機関に事前対応を要請する。

 結果、荒川は決壊し、都内の一部は水没し犠牲者も多く出たが、被害は最小限に食い止められた。三崎に対し批判は出たが、事実経過が判明するにつれその対応に賞賛の声が上がり始める。

一方で、市場では洪水とも関連し日本国債の暴落が始まっていた。もちろん洪水はきっかけに過ぎない。1000兆円にものぼる国債残高が臨界点に達していたのだ。だからこの大暴落は必然であり、止める手段はない。日本に対する国際社会の信任が地に落ちる結果になる。

このどうしようもない危機に三崎は立ち向かう。ここでも三崎の証券会社での勤務経験が生きることになる。

(感想)

 日本国債の危険度については、幸田氏は以前にも小説を書いています(「日本国債」2000年文芸春秋社刊)。このような題材は氏の得意分野です。

 今回、私が興味を持ったのは、荒川の存在です。江戸時代から幾度となく大規模水害に見舞われてきたこの流域では、荒川の決壊を防ぐため、荒川の水流を変える新たな川(荒川放水路)掘削を計画。周辺の土地を買収し、大正の終わりから昭和の始めにかけ17年かけて、多くの犠牲者も出しながら、実に22kmに及ぶ人口の川を作ったのです。この荒川放水路が完成して以後、東京は洪水に見舞われてはいません。東京の暮らしはこのような多大な犠牲の上に成り立っているのです。なお、現在では荒川放水路が荒川で、それまでの荒川は隅田川と呼ばれています。

とは言え、現在でも荒川決壊の危険は完全になくなったとは言えません。この小説も決して絵空事を書いているのではないのです。

前作「スケープゴート」はWOWWOWでドラマ化されました。主人公三崎皓子は黒木瞳が演じました。本作もまたドラマ化されることでしょう。

(M.T@総務部)

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