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2017年2月6日 月曜日

私の読書日記35

天子蒙塵第1巻、第2巻

浅田次郎

201702061 浅田次郎のライフワークとも言うべき、中国もの歴史小説最新作です。氏には代表作として中国清朝末期の西太后時代の政争を描いた「蒼穹の昴」がありますが、その後、西太后時代に起きた事件(皇妃の変死)を描いた「珍妃の井戸」、西太后後の時代に活躍した軍閥、張作霖を描いた「中原の虹」、その張作霖爆殺の真相を探る「マンチュリアン・リポート」を発表し一連のシリーズのようになっています。それらのシリーズ第5部とも言えるのが本作品です。

 私は、20年前に直木賞候補になった「蒼穹の昴」で浅田次郎を知りました。たぶん人生で一番夢中になって読んだ本です。近代中国の歴史の勉強にもなりました。登場人物は実名でストーリーもリアルなため全て史実に基づいて書かれていると思い込んでいましたが、主人公の二人、梁文秀と李春雲が氏の創作上の人物と後で知りショックでした。ただ、この二人を主人公にしたからこそ、ストーリーに厚みが出たのかも知れませんし、後に続くシリーズに全てこの二人が登場するところを見ると、最初から二人に狂言回し的役割を与えているのかも知れません。もちろん、本作品にも二人は登場します。

201702062<あらすじ>
 清朝が崩壊し孫文の中華民国が成立したが、最後の皇帝溥儀は紫禁城の半分の使用を許され、未だ皇帝の如く暮らしている。しかし中華民国の統治は混乱し軍閥が鎬を削っており、溥儀の命を狙う者あるいは溥儀を奪い利用しようとする者もおり、溥儀たちはドイツ人租界へ逃げる。更に天津の日本人租界へと転々とする。そんな中でも溥儀と少なくなった側近たちは清国の復活、皇帝溥儀の復位を信じて耐えている。

 溥儀には皇妃として婉容、側室として文繍がいたが、文繍は自由を奪われた生活に耐えきれず、脱出し離婚を提訴。中国歴史上初めての皇帝離婚劇となった。(第1巻)

201702063 中国の混乱の中でその勢力を増してきたのが日本の関東軍である。彼らは溥儀に近づき、清朝の復活を匂わせながら、利用しようとする。溥儀は、日本を信用できないが自らの悲願のために日本の支援を受けることにする。日本は中国での軍事行動で国際的に孤立する中、自らの軍事行動を正当化するためには、中国人の自立した活動を支援しているとの体裁が必要であった。そのため、溥儀を執政(後に皇帝)とした満州国を建国し、傀儡国家とする。

 一方、その関東軍に最後まで抵抗を続けているのが張作霖亡き後、馬賊を率いる馬占山である。彼は、日本軍に恭順したかつての仲間から満州国での主要なポストを約束され、投降を促される。その呼びかけに応じて戦いを止めた馬占山であったが、彼には隠された狙いがあった。(第2巻)

<感想>
 「天子蒙塵」とは、天子つまり皇帝が塵(ちり、ほこり)をかぶること。世界の中心であるはずの中国では、皇帝が塵を蒙ることなど決してあってはならないことです。しかし、前皇帝溥儀は逃げるようにして紫禁城を脱出し、その後も住居を何度も変わります。皇帝が塵にまみれ都落ちする惨めな姿を本のタイトルにしています。

201702064201702065 ラストエンペラー溥儀は世界でも稀にみる数奇な運命を辿った人物だと思います。その転変には同情しますが、彼の人生はそれだけスリリングでドラマチックです。小説の主人公としては、これ以上の素材はないかも知れません。
 「蒼穹の昴」「珍妃の井戸」以降、浅田氏のこのシリーズを読んでいなかっかのですが、改めて氏の作品の面白さを知りました。第3巻も楽しみですが、まだ読んでいない「中原の虹」と「マンチュリアン・リポート」を読んでみようと思いました。

(M.T@総務部)

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