私の読書日記23

2014年11月6日 木曜日

スケープゴート

幸田真音

t20141106以前のブログ(2013年12月4日)でも紹介した幸田真音の最新作です。幸田真音はビジネス小説、特に金融や財政を題材にした小説を得意としています。本作も氏の得意な分野で、主人公が女性、それも金融、財政を専門としている大学教授です。

(あらすじ)
 三崎皓子(みさきこうこ)は51歳。大学卒業後、米国の証券会社を皮切りにいくつかのシンクタンクや金融関係の会社を渡り歩き、今は日本の某大学の教授に落ち着いている。TVなどで日本の金融財政政策について度々発言し、ルックスも良く、お茶の間の人気も出てきている。
 
 そこへ目をつけたのが、政権を奪い返した与党の山城総裁。新政権の目玉として民間から閣僚を登用することにし、皓子に白羽の矢が立った。いきなり閣僚、しかも金融担当大臣という重要な役割を負わされた皓子であったが、新政権の人気取りに利用されるだけのお飾りではなかった。就任初日から地方銀行の取り付け騒ぎという危機に見舞われたが、これを機敏に対処し切り抜けると、自身のこれまでの経験や人脈を生かし、次々と難題をクリア。実力閣僚として評価されるようになる。

 民間からの登用であり、議員ではない立場であったが、次の参議院選挙では立候補を要請される。家庭では娘との確執があるなど問題を抱えていて、当初、議員だけはならないという約束で引き受けた閣僚であったが、その意向を無視して話は進み、立候補が発表される。

 そして、選挙には当選するが、その後には更に衝撃的な運命が待ち受けていた・・・

(感想)
 先頃、女性閣僚二人の同日辞任をいうニュースがありました。それを連想させますが、この主人公の違いは、自身の明確な政策があり、それを実現させるための情熱や経験、人脈があることです。多くの政治家たちが、自分の次の選挙に有利になる政策しか関心がない中で、主人公が真に日本の将来を考えて政策を訴える姿は、今の政治家もこうでなければ、と考えさせられることばかりです。

 タイトルから想像すると、結局最後には閣僚辞任で終わるはず、と思いながら読み進めましたが、意外にもそうはなりません。連載の途中でストーリーを変えたのかな、想像してしまいました。

(M.T@総務部)